
伝統×革新で生まれる有松鳴海絞りの新たなカタチ
カラフルでポップな絞りを発信!
江戸初期から現代まで受け継がれてきた「有松鳴海絞り」。名古屋市緑区有松で今も息づいている伝統工芸です。この地区に今年5月、新たな絞りのギャラリーショップがオープン。その名は「まり木綿(marimomen)」。ここを展開しているのは、今春大学を卒業したばかりの伊藤木綿さんと、村口実梨さんの2人です。
「有松鳴海絞り」と言うと、藍や紺で染めた物が代表的。けれど彼女たちが作るものは、ポップでかわいい絞り。赤、ピンク、青、緑、紫などの染料を使い、今までにないカラフルなデザインを提案しています。
「有松鳴海絞りは、私たち若い世代に馴染みがなく、伝統工芸が衰退しつつあります。私たちが提案するのは、ポップで可愛らしい絞り。この絞りを通して、たくさんの人にもっと身近に感じてほしい、もっと魅力に気づいていただけると嬉しいですね」
もともとの夢はデザイナー!
出会ってから魅力にはまって
彼女たちが、有松鳴海絞りに出会ったのは、大学3年生のときでした。名古屋芸術大学ではテキスタイル(織物、染色)のデザインを専攻し、伊藤さんはグラフィックデザイナーを、村口さんは産業デザイナーを目指していたそう。
「大学の授業で、地下足袋ブランドの「SOU・SOU」のプロデューサーに講師として来ていただいていたんです。そのとき『地場産業との連携』という授業で、初めて有松鳴海絞りを体験。絞り作品を作るようになってからは名古屋市緑区境松の『久野染工場』でお世話になりました」と伊藤さん。
彼女たちもはじめは有松鳴海絞りに渋い印象を持っていたといいます。
「実際に工場を訪れたとき、カラフルにできたり、自分たちで柄も作れるということを知りました。その後、授業でポップな絞り作品を作ってみたんです。2人で作ったその作品が評価され、さまざまな課題で絞りの作品をつくるようになりました」
その後、京都のテキスタイルブランド「SOU・SOU」と「久野染工場」の協力のもと、ギャラリーショップを開設。ここでは手ぬぐいやハンカチ、地下足袋を中心としたラインナップで展開しています。
名古屋が誇る伝統工芸に
若い2人の感覚を吹き込んで…
有松鳴海絞りの技法は70種類以上。その中でも彼女たちは板締めという技法で、自らアレンジして作っています。
「板締めは布地を折り紙のように三角形や四角形に畳み、両面を板で挟んで、それぞれ の“辺”を染料に浸すことで、花や水玉などの模様ができます。布地の折り畳み方や染めのちょっとしたさじ加減、染料の浸透具合によって、微妙に変わってくるので同じ物は2点として作れないんです。また、折りたたんだ布を広げてから柄が分かるので、どう出来上がっているのかは完成してからのお楽しみ。それは手作業ならではの魅力ですね」と村口さん。
「藍や紺の絞りも素敵。けれど私たちは有松鳴海絞りという伝統を大切にしつつ、自分たちでアレンジをした絞りをアピールしていきたいです。今後は、手ぬぐいを使った小物を増やしていきたいですね」そう話します。
若い女性2人が生んだ新たなカタチ。これを機に、有松の歴史を見直すきっかけになるといいですね。
【写真説明】
1.手ぬぐいは1枚1,300円
2.ギャラリーショップは名鉄「有松駅」から徒歩すぐ
3.地下足袋6,300円。
5.染めの作業はお店から徒歩15分ほど離れた「久野染工場」で行っています
6.7.8.三角に折りたたんだ布地を染料につけている様子
9.10.地下足袋は脱色して色づけ。注文生産です
11.笑顔が素敵な伊藤木綿さん(左)と、村口実梨さん(右)自らの作品で、全身をコーディネイト!
まり木綿
〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松1901
TEL/052-693-9030
営業時間/11:00〜19:00
定休日/水曜
http://www.marimomen.com/
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