長良川や金華山にほど近く、古くから繁華街として栄えるこの町。
その風情漂う町の一角にあるお茶屋からは今日も、三味線や唄の声が聞こえます。
「はじめまして。喜久雛です」。今回、お話をうかがったのは、岐阜市で短大に通いながら舞妓として日々、稽古にはげむ「喜久雛(きくひな)」さん。
喜久雛/本名・堀口紗英さんは、現在短大の2年生。ふるさとは、岐阜とは遠く離れた鹿児島です。高校まではいたって普通の生活を送っていたと言いますが、舞妓になりたいと思ったきっかけは何だったのでしょう。
「中学生のころ、地元のデパートのイベントに舞妓さんが来ていたんです。そのお衣装の華やかさが一目で忘れられなくなり、舞妓さんにあこがれるようになりました。その後、インターネットで芸妓さんや舞妓さんのことを調べるうちに、その華麗さだけでなく、芸のプロとして生きる姿ってステキだなと思うようになり、自分の進む道として舞妓を選んだんです」
舞妓になりたいと喜久雛さんが言い出した当時はご両親も驚き、反対もされたと言います。それでも真剣な夢への想いが伝わり、岐阜での修行がスタートしました。

喜久雛さんは現在、お茶屋に住み込み、短大に通いながら修行を続けています。そのため、朝から晩までスケジュールはびっしり。平日は9時の始業にあわせて登校し3時ごろ帰宅、その後は踊り、お茶、三味線、唄、鳴物…と日替わりの稽古が続きます。稽古の少ない日は、夕飯づくりの手伝いをすることも。
「みなさんに大変でしょう?と言われますが、想像以上に楽しい生活なんですよ(笑)。夢に近づきながら、知らなかったことを一つひとつ覚えていけることが本当に楽しくて」
こう話す、喜久雛さんの目はキラキラと輝いています。「コンパとかも、行ったことがなくて…」とも話しますが、毎日が充実した今の生活に十分満足しているそう。
また岐阜は、かつて多くの舞妓さんや芸妓さんのいる街として知られていましたが、今ではその数も減り、舞妓の誕生は実に18年ぶり。それだけに、喜久雛さんに向けられた地元からの期待も大きなものとなっています。
「たくさんの人が応援してくださっているのが伝わってきて、本当にうれしいと思っています。それに応えられるようにがんばらないと(笑)」
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